トリップトリップ

久しぶりの五月晴れ。それも日曜日。近頃の気候からすると、梅雨の中休みと言った感もありますね。夕方までひとりの時間をもらったので、ぶらり・・をすることにしました。百閒先生のように、用事も無いけど・・沼津へ行ってきました。
小田急新宿からロマンスカーで。あさぎり3号の1号車1A席をゲットです。車輛はJR東海の371系。パッと見、新幹線のようです。片手に開高健さんの「フィッシュ・オン」をたずさえて。旅には小説よりエッセイや紀行文がいいように思います。小説ですと読むことに集中してしまい、折角の車窓がもったいない気がして。
新宿地上ホームを滑り出し、しばらくすると80~90キロのほどよい速度で進みます。くるまで言えばクルージングしている感じです。この速度だとロールもピッチも騒音もほとんど無くすこぶる快適!松田で小田急線からJR東海御殿場線に入ります。二社を結ぶ短絡線を15キロ以下で這うように渡り、この駅で乗務員さんも交替です。自社線に入りこころなし元気になったような371系。運転士さんの指差呼称も小気味よく、足柄を快調に駆けていきます。御殿場線はその昔は東海道本線であり、優等列車は皆ここを通っていました。今では単線ですが、傍らにかつての線路の名残のトンネル、橋脚、或いは遊歩道がはしり、むかしここが日本の大動脈だったことを偲ばせます。山あいの田中には早苗が整然と植えられ、そこで鴨だかが何かを啄ばんでいました。ということは水田の水が綺麗なのでしょう。雨が多かったからでしょうか、なかにはまだ田植え中のところもちらほら。ふと「夏は来ぬ」を口ずさみたくなりました。すこしわき道に逸れますが、私は唱歌や童謡が好きです。学校教育では何故唱歌を歌わせないのでしょう。美しい旋律と奥深い歌詞。たとえそのとき理解できなくても、いつか大きくなって初めてその素晴らしさが解かればいいと思うのです。今のままでは、意味の無い浅薄な言葉しか操れない日本人ばかりになってしまうのではないでしょうか。
本線に戻ります。御殿場を過ぎ、右手に富士山が見える筈なのですが、愛憎ガスっていて、裾野や愛鷹山は見えるのですが本命の富士の雄姿は拝めず・・初夏のふじやまを愉しみにしてたのに!そうこうするうちに前方に新幹線の幅広な高架が見えてきて、それをくぐるとその先は終点沼津です。
快適ですが、あっという間の旅でした。沼津のことはまた今度・・・トリップトリップトリップトリップ

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