グランドプリンスホテル赤坂のフレンチレストラン、ル・トリアノンさんでランチをいただいてきました。
ずっと憧れていた正統派フレンチのお店です。
瀟洒な佇まいの旧館レストランは、近代的な新館「赤プリ」と対照的な趣です。
敷居の高さを感じる威風堂々たるエントランスに足を踏み入れると、黒服の男性と赤い絨毯が出迎えてくれます。
いつもお世話になっている、ホテル支配人の松下さんに、歴史的な建物を案内していただきました。造りの細部に、当時の西洋建築の粋を見ることができます。
本日は個室に通していただき、まずは食前にシェリー酒を。本来、やんごとなき方々がご利用されるこの個室。畏れ多さを感じつつも、雰囲気を満喫します。
しばらく経つと、ランチの用意を告げられ、となりのダイニングルームへ。
さて、お料理ですが、アミューズに始まり、前菜、スープ、メインそしてデセールの順に進行していきます。
アミューズの「細かくたたいたオニオンのオーブン、黒トリュフのせ」から、もうメロメロになるほど美味しい。
前菜の「アボカドを巻いた蟹のレムラード、赤ピーマン風味ソースとクロロフィルのアクセント」は、蟹肉とアボカドの優しい味と、赤ピーマンと青寄せのソースが素敵にハモっています。あまりに美味しいので、恥ずかしいほどあっという間に消えてなくなります。
スープは「真鯛と帆立貝のナージュ、香草のポタジェール風」。たしかナージュは「泳ぐ」という意味だったような。
そして、お待ちかねのメインは「野性味あふれる鴨胸肉のココットブレゼ、ちょっぴり胡椒を効かせて オレンジ風味の赤ワインソース」です。脂質のとっても少ない鴨を、定番のオレンジソースと赤ワインソースの2種類の味でいただきます。鴨とソースと粒胡椒が相性抜群。鈴木シェフの真心と腕が、舌に、脳に、ハートに響いてきます。
最後のデセール、林檎のシブーストとコーヒーを愉しんでいると、レストラン支配人の元橋さんがお顔を出してくださいました。元橋支配人はホスピタリティーの究極ともいうべき方で、経験に裏打ちされた豊富な話題で、わたしたちゲストを心から愉しませてくれます。
楽しいときは瞬く間に過ぎていくものです。気づけば、冬の陽は傾き始めています。名残惜しさを感じつつ、居心地の良い椅子に根が生えないうちにお暇することに。
ごちそうさまでした。ほんとうに素晴らしい時間でした。
以前、外務省のある公使がおっしゃっていました。「昨今、ミシュランの星が云われているが、赤坂のトリアノンこそ、三つ星を取るレストランだ」と。
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