上野動物園が旭山動物園のような動物たちの行動展示に切り替えて行くそうですね。
明治15年開業の日本でいちばん古い動物園ですが、目玉のジャイアントパンダがいなくなったので、これからはホッキョクグマなどの行動展示で集客アップを目指すのだとか。
それはそれで愉しみですね。
ところで、今回の四代目の昔話は、その上野動物園のこと。
四代目は昭和ひと桁の生まれですから、子供の頃の話となると、だいたい戦前から戦後にかけてのことが多くなります。
戦後すぐの頃に、「父ちゃん(三代目のこと)」といっしょに上野動物園を訪れたときのことです。
四代目は、そのときの動物園のあまりの変わりように驚いたそうです。
檻の中にはおきまりのライオンやトラなどの猛獣が一頭もおらず、居たのはなんとブタやヤギやニワトリなど!
動物園らしいものといえばサルくらいのものだったそうです。
想像してみてくださいな。親に手をひかれて、喜び勇んで行ってみると、檻にはブタが寝ていたり、ニワトリがコケコッコーとやっているのですから!
その話を聞いていた五代目は、お腹を抱えて笑い転げてしまいました。
四代目も出かける前から噂には聞いていたようですが、本当にブタやニワトリが動物園にいるとは思わなかったようです。
しかし、これは可哀想な話だったのです。
猛獣たちは空襲のどさくさで逃げ出さないように、戦時中処分されたそのだそう。
そう、これは笑っていられる話ではなかったのですね。
四代目は子供心にも相当なショックだったそうです。
いまでは、小さい子供から大人まで楽しめる上野動物園ですが、過去にはかなしい時期もあったのですね。
四代目の昔話でした。
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