江戸の頃は、隅田川河口のしらうお漁は春の風物詩とされていたそうです。
いまでは隅田川でしらうおなど望むべくもないでしょうが、やはり春の魚には違いありません。
春と呼ぶには遅い今時分、八幡鮨では北海道産を仕入れています。
そんなしらうお、生で握るときはおろし生姜をちょっと乗せてお出しします。
これは、なんと言いましょうか、清涼感を楽しむことができます。
しかし、江戸、明治の頃は生ではなく、軽く煮たものが主流ではなかったでしょうか。
五代目は昔の仕事も好きなので、ご希望があれば煮たしらうおを使った握りもおつくりします。
この握りは、どちらかというと優しい感じの味です。
「しらうおを五本並べたような指」という表現を耳にすることがありますが、さっと煮てまだ透明感の残るきれいな色のしらうおを差すのでしょうね。
そんな美しい指のようなしらうおを、細〜く切った海苔でシャリとあわせます。
煮るときに味付けはしてあるので、お醤油は付けないでいただいてみましょう。
春の、といってももう初夏ですが、季節を楽しんでみてはいかがでしょうか。
コメント