関西ではこれが主役になることなどありえない、といわれるかんぴょう。江戸前ずしでは巻物といえばかんぴょうというほど、なくてはならい食材です。おすしの最後の締めにかんぴょう巻きを召し上がる人は結構いらっしゃいます。なかには「てっぽう」といって、長いままののり巻きを食べる通人も。その干瓢をつくるところを今日はお見せしましょう。
適当な長さに切りそろえた干瓢を大鍋に入れ、軽く水で洗ったあと、しっかり塩揉みします。
塩を洗い落として、鍋一杯に水を張り、中火で3時間ほど茹でます。干瓢が手で簡単に千切れるようになったら、大ざるに上げ、押しをして十分に水気をきります。
ここからは味付けです。大鍋にザラメ、砂糖、味醂、醤油を合わせ入れ、干瓢をいれて中火にかけます。色と味が満遍なく干瓢に馴染むように、かき混ぜながら煮詰めていきます。
汁がなくなり、鍋底がチリチリ言い出したら完成です。大ざるにとって広げ、冷めたら冷蔵庫へ。
ここまでの所要時間はおよそ4時間。最後の煮付けは、焦げてはいけないので付きっきりです。
しかし、出来上がったからといってすぐに使えるわけではありません。味が完全に馴染むまで4〜5日ほど寝かせます。
鯵や小肌などの締めもの、あるいは昆布締めもそうですが、仕込んですぐより何日か寝かせたほうが旨味が増すものはたくさんあります。干瓢にしろ魚にしろ、「頃合い」を読むのも江戸前の面白さかな、とおもいます。
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