今回も引き続き、アルバイトによる酒蔵特派員レポートです。
それでは、前回からの続きをどうぞ!
次はいよいよ、もろみを「絞り」、酒かすと酒に分ける段階です。
布の袋に手作業でもろみを詰め、縦に積み上げて、上から圧をかけて搾り出していきます。
向井統括部長がその袋を持って説明して下さっています。
最近の一般的な圧搾機は蛇腹のような装置で一気に絞ることができるため、手間もかからず1日で終わるのですが、
こちらでは昔ながらの圧搾機を使っているため、2日かかります。
しかし酒かすはこの製法の方がやはり美味しいのだとか。
また、従来はもろみを「木製」の すのこ の上に積み上げていましたが、
①劣化が早く割れてしまう②洗いにくい③新しいものだと木の匂いが酒に移る④良質な材木が少なくなってきている、といった多くの問題を抱えていました。
そこで、「木」ではなく「まな板」を使ったらと思いつき、2年前から「まな板」製 すのこ を導入しています。もちろん特注です。
こちらが以前の木製のもの
槽の床に敷かれているのが「まな板」製すのこ
昔ながらの製法を守りつつ、より質の高い酒造りのために新しいアイディアも取り入れているのですね。
古くから名蔵元として続いてきたことには理由があるのだと感じました。
そして瓶詰めです。
ここも驚きですが、1本1本手作業でつめ、蓋をつけていくのです。
最後まで丁寧に心をこめて作られているのが伝わってきました。
写真の左手にある装置で火入れをして、酒の温度を65℃にした状態で、右の装置を使って瓶に詰めます。
瓶詰め前の火入れをすることで、冷蔵せずとも腐らない酒になるのです。
「本生酒」「生貯蔵酒」は、この瓶詰め前の火入れをしないため、要冷蔵となります。
最後に、今回見せていただいた蔵の中で、最も広い面積を占めていたのは、実は冷蔵庫でした。
酒の温度調整はとても大切で、種類によっても保管温度が変わってきます。
-8℃から+5℃までサイズも様々で、冷蔵庫を見て回るだけで楽しんでしまいました。
さて、蔵の見学を終え、お店のほうに戻ると、どれでも好きなものを試飲して良いとのこと・・・!
お言葉に甘え、『会津中将』と『ゆり』の純米大吟醸を頂きます。
『会津中将』は口に含んだときの香りがとても良く、すっきりとしていて、どなたでも楽しめるお酒です。
『ゆり』は社長の長女ゆりさんが造られたもので、女性らしい繊細な味が特徴。
絶妙なバランスが人気です。
しっかりおかわりも頂いてしまい、特派員はその後ほろ酔いで酒蔵を後にしました。
今回の酒蔵見学を通して、いつも八幡鮨でお出ししている日本酒に、どんなに手間と時間とこだわりが込められているのか、それを自分の目で見て感じられたのは、とても良い経験でした。
今後はお酒と一緒にその思いも、少しでもお客様に届けられたらと思った次第です。
鶴乃江酒造さんの量産ではなく、質・味にこだわった酒造りはこれまでと変わらずこれからも続いていくそうです。
みなさんも福島県へ行かれる際は、是非、鶴乃江酒造さんの日本酒を楽しんでください。
それから、八幡鮨でも『会津中将 純米原酒』がお待ちしておりますのでお忘れなく!
最後まで拙文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
次回からは、皆様お待ちかねの五代目ブログ再開です。
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