梅雨に旬の

天気図を眺めますと、梅雨前線が見事なまでに日本列島に沿うように横たわっていますね。

気持ちよかった初夏の陽気も去り、いまは梅雨らしいお天気の毎日。

梅雨の時期、おかでは紫陽花が咲き誇り、この時期ならではの光景を楽しむことができます。

一方、海はと言えば、入梅に旬のピークを迎える魚もあります。

そう、いわしですね。

6月の初めぐらいから7月にかけて、真鰯は蝋を塗ったのかと見紛うほどの脂がのるのです。

もちろん生で食すのも良しですが、江戸前寿司を標榜する八幡鮨としましては、先人たちに倣い、しっかりした酢締めでお出ししましょう。

江戸前寿司を標榜すると申しましても、闇雲に酢締めにしたりするわけではありません。

生で食したほうが美味しいのであれば、当然そうしますし、時代に合った食べ方もつねに模索しています。

心がけていることは、もう少し広い意味での「江戸前寿司」から逸脱しないこと。

なにより、その魚の味を最大限引き出せるように工夫することが大切なのかと思います(なあんてカッコつけたりして)。

そんなわけで、最旬のいわしに関しては、やはり塩と酢でしっかり締めてやるのが、いちばんのようです。

何と言っても、あまりに脂が強すぎて、軽めの塩と酢では、中まで締まらないわけですから。

能書きが長くなってしまいましたが、百聞は一見にしかず。

まあ、お食べになってくださいまし。

山葵をちょいと効かせて握り、醤油をちょんちょんと付けてパクリ!

ほおら、お口の中でとろけていくこと請け合いですから。

鰯のことを長々と書きましたが、これから美味くなる光り物もう一種。

あじですね。

鯵も夏場に旬を迎えます。

真鯵、関あじ、しまあじ(これは白身魚ですけどね)なんてのは、夏魚です。

昔は、夏に小肌を使っている店は、他のすし屋から「あそこの店は夏に小肌なんか使ってやがるよ。駄寿司屋だね」なんて言われたそうで、逆に冬場に真鯵を使おうもんなら、同じように駄寿司屋だと馬鹿にされたものなんだとか。

いまは漁獲方法や保存技術の発達や、流通の迅速化などのおかげで、魚の旬や食べられる時期も広がったようですが、そうでなかった時代の、魚の本当の旬を求めてみるのも面白いかもしれませんね。

今回はちょっと偉そうなことを書いてしまいました。

どうかご容赦。

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