和食の世界では、蛤は桃の節句までとされていますが、寿司屋ではまあそこまで厳密に言うこともないでしょうから(何と言っても日本料理からすると、寿司は歴史が浅いですから)、もう少し先までネタとして揃えておいていいでしょう。
今回の蛤は茨城は鹿島産の、ひと粒95gほどのもの。
国産の蛤は、殻の中にみっちりと身が入っています。
外国産ですと、殻の大きさの割に身がかなり痩せていたりして、味も今ひとつなのですが、国産のものは本当に素晴らしいんです。
蛤の仕込みというのはまず剥いて、水管のところに、かどのある割り箸を通して、水の中でクルクル回して洗うことから始めます。
砂や汚れはたいていは水管のところに付いていますから、これで掃除は完了。
あとは沸騰したお湯で、中の肝が固まる程度まで茹でます。
粗熱を取る間につけ汁を作ってしまいましょうね。
八幡鮨で「はまつゆ」と呼んでいる蛤のつけ汁は、先ほど茹でた汁をベースに醤油と砂糖を加えたもの。
出来た蛤はこの汁に漬け込んであるのです。
さて、粗熱が取れたら貝を包丁で割いて、肝を取り除いていきましょう。
貝を開いたら先ほどのはまつゆに浸して一晩寝かせます。
こうしていつでも召し上がれる状態になるのですね。
伝統的な江戸前寿司の定番、煮はまぐり。
ネタケースにあるときは、ぜひお召し上がりくださいね。
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