八幡鮨の盛り付けの基本は

八幡鮨のこだわり

テーブルの上に並んだ色とりどりの料理。

料理の理想とは五感で楽しむものだと思います。

味が大切なのは言うまでもなく、香りも重要な要素のひとつ。

温かな一皿から立ち昇る香りは鼻腔をくすぐり、次のひとくちへの期待を高めてくれます。

それと同時に大切なのが視覚的要素。

器に品良く、そして彩りよく盛られた料理を見ると、素晴らしい一幅の絵を眺める心持ちになりますものね。

日本料理の場合、千年以上の長い歴史の中で形作られてきた様々な決まりごとや制約があり、その中でより美しくより美味しく見えるように盛り付けていきます。

右利きの人が箸を使うことを前提に、右の料理から左のものへと移っていくということが盛り付けの基本でしょうか。

しかし寿司の場合は歴史が浅く、まだ日本料理のような明確な決まりごとはないので、味の移り変わりよりも見た目を重視して盛ることが多いとおもいます。

色で言えば鮪や赤貝や海老は赤系、鯛や平目などの白身は白系ですし、同じ白身でもカンパチやシマアジなどの青背のものは肌色系、そして光り物は青や銀色や鈍色系、玉子焼は黄色、そして海苔は黒系といった按配に、幸いなことに魚はそれぞれの色を持っています。

これらをコントラストをつけて並べていくことで、自然と美しくなるものです。

それはお刺身でも然りです。

もちろんお寿司以外の一品料理でも彩りは重要ですから、中心となる料理に添え物や敷物を使い、極力料理が単色にならないようにします。

つかう食器も大切ですね。

といっても八幡鮨では料理屋さんのように多種の器があるわけではありませんから、使う器は自ずと決まってきます。

限られた種類の器の中で料理やお寿司の配色を考えて使うのですね。

あとは季節感を出すために、夏なら義山(ギヤマン)、秋以降は少し落ち着いた器といった具合に使い分けもします。

お寿司を作るときはランチの握りもばらちらしも、使う魚の色を頭に入れて、一瞬で配色を決めて握っているんですよ。

次にお寿司を召し上がるときは、ぜひ配色などにも注目して頂ければ幸いです♪

お馴染みのランチにぎり大盛り

※お馴染みのランチにぎり大盛り。魚はそれぞれに色を持っているのでありがたい。

瑞雲と本鮪。瑞々しい笹の葉の上に赤、白、黄色のコントラストが強調されます。

※瑞雲と本鮪を瑞々しい笹の葉の上に盛り付けました。赤、白、黄色が目に眩しい。

八幡鮨のコースメニューを一堂に介してみると鮮やかですね。

※八幡鮨のコース料理も一堂に会すると見事なものでしょう?なあんて、手前味噌です・・

夏のメニュー。焼き鮎の木の芽味噌田楽。透明感のある義山に笹と紅白はじかみのシンプルな盛り付けです。

※夏の料理「焼き鮎の木の芽味噌田楽」。透明感のある義山に笹の葉を敷き、紅白はじかみをあしらいました。

クリスマス用の寿司ケーキも綺麗でしょう?ヅケにしたタネを宝石のようにつりばめました。無造作に散らしているように見えますが、配色に気を配っています。シャリとシャリの間にはフワトロの焼き穴子が敷き詰めてあります。

※クリスマス用の寿司ケーキ。味をつけた色とりどりのタネは一見すると無造作に散りばめられているようですが、ひとつひとつの配色を考えて盛り付けてます。シャリとシャリの間にはフワトロの焼きあなごが敷き詰められてるんです。

冬の寄せ鍋も綺麗ですね。

※冬の寄せ鍋。特別メニューです。

賄いだって手を抜きません。これはある日のラーメンですが、彩りと栄養、どちらも考えてます。

※賄いだって手を抜きません。これはある日のラーメンですが、彩りと栄養のバランスを考えてます。八幡鮨のヤングたちにとっては日々の賄い作りも料理の研究対象。

これは五代目がお世話になっている池袋の鉄板焼「アルティザン」の小原シェフの前菜。フレンチ出身のシェフは黒い丸皿をキャンバスにして美しい盛り付けをしてくれます。

※五代目がお世話になってる池袋の鉄板焼「アルティザン」の小原シェフによる前菜。フレンチ出身のシェフは、黒の丸皿をキャンバスにして、色とりどりにお料理を並べていて綺麗ですね!鉄板焼屋さんですから真ん中にはもちろんビーフが!

今は無くなってしまった赤坂プリンスホテルのフレンチレストラン「ル・トリアノン」の鈴木房雄シェフに逸品。鮮やか!!

※今は無き赤坂プリンスホテルのフレンチレストラン「ル・トリアノン」の鈴木房雄シェフによる逸品。料理を芸術と呼ぶのは抵抗がありますが、素晴らしい料理は芸術に通ずるものがあるのは確かだと思います。

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