寝台特急カシオペア引退

寝台特急カシオペア引退

ここに一枚のパンフレットがあります。

ニュー北斗星のデビューを伝えるパンフレットです。

つまり寝台特急カシオペア号のデビューへ向けての告知ですね。

カシオペア

1999年の登場ですから、センセーショナルな登場から今年で26年も経ったことになります。

そのカシオペア号もいよいよ引退が迫っているようで、その動向を伝えるニュースを最近よく見るようになりました。

ご承知のように鉄道旅が好きな五代目は北海道寝台華やかりし頃はカシオペアを含め、北斗星やトワイライトエクスプレスなどによく乗ったものです。

昔の写真を見返していたら懐かしくなってこのブログに書きたくなってしまい、筆をとっている次第です。

少しだけカシオペア紀行にお付き合いくださいね。

カシオペア号には3回ほど乗りましたが、北海道に泊まったのはそのうちの1回だけかもしれません。

いつも行き帰りともに車中泊ですし、それこそが目的でしたのでそれはそれは幸せの極致でした。

そんな酔狂の汽車旅ですから一人旅か、まだ小学生だった雄哉との父子ふたり旅をよくしていました。

せっかく遠くまで旅に出るのですから、気兼ねのない旅がいちばんですもの。

オールA寝台個室のこの列車はプライバシーも確保されて本当にのんびり過ごせます。

上野駅13番線 発車時刻表 カシオペア16時12分発

上野駅13番線を発車して間もなくするとCAさんがウェルカムドリンクを運んできてくれて、暮れゆく街並みを眺めながらカシオペアオリジナルワインを飲んだものです。

夕食は食堂車でコースのフランス料理をいただきます。

四季島やななつ星のような超高級寝台列車やイベント列車以外で食堂車を連結している列車は皆無になってしまった昨今、おいそれと食堂車で食事を楽しむことが叶わなくなってしまいましたが、この頃食堂車は今より身近な存在でした。

料理人さんたちが揺れる厨房で料理を作られるご苦労は大変なものと推察されますが、運ばれてくる料理は味も盛り付けも素晴らしいんです。

プロの仕事を実感しますね。

食後はシャワールームでシャワーを浴びてさっぱりしてベッドに這入りましょう。

ベッドですが、ソファの状態の椅子の座面を引き出して、そこに真っ白いシーツを張って仕上げます。

自分で設えた寝床に寝転がって窓の外を見上げると、真っ暗な風景の中に星が綺麗に見えるんです。

旅の際は愛読書の内田百閒を読むのですが、レールの規則正しいジョイント音の効果もあっていつの間にか眠りの世界に誘ざなわれていきます。

朝は室内で洗面を済まし、備え付けのパジャマから普段着に着替えて再び食堂車へ。

朝食は定食形式で和定食か洋定食から選べます。

五代目は洋定食、和食好きの雄哉は和定食です。

札幌行き下り列車の場合、朝食どきにちょうど白老あたりを走行していて、右手に朝日に煌めく雄大な太平洋が、そして左手には牧草を喰む馬たちを見ることができ、北の大地を走っていることを実感できます。

それを過ぎると苫小牧、千歳とだんだんと都会に近づいてきて、楽しかった旅も終焉を迎えます。

夏でも東京よりずっと涼しい札幌に降り立つと、ホームにはディーゼル動車から吐き出される排気ガスの匂いが立ち込め、北海道にやってきた!と感じます(ちょっとマニアックですね)。

まだ朝の9時台ですから、帰りに乗車する上り列車まで半日あります。

札幌の街で北海道の美味しいものでも食べてゆっくり過ごしましょう・・・

長くなってしまいましたが、思い出のカシオペア紀行にお付き合いくださいましてありがとうございました。

また気が向きましたら、北斗星やトワイライトエクスプレスの思い出も綴らせていただきますね。

カシオペア・・・さようなら、夢をありがとう

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