能「道成寺」
いつもお世話になっているお客様が、ご自身の古希のお祝いにお能を舞われました。
それも道成寺というもので、プロでもなかなか扱わないものなのだとか。
その方はプロの能楽師ではないのですが、周りを務められるのは全てプロの方々という壮大な布陣です。
今回もギンザシックスの観世能楽堂での公演。
この日のために何人もの狂言師さんたちが手作りで作り上げた、重さ80キロという大きな布製の釣鐘が舞台の上で目を引きます。

お能というと地味で静のイメージが強かったのですが、道成寺は能の大スペクタクルというほどに激しいものでした。
確かに物語の前半の鐘入りの前までは見慣れたお能ですが、鐘入りの場面になると、それまでの静かな念から転じて激しい怨念になるところがなんともすごいのです。
最後は僧侶たちの渾身の祈祷のまえに退散していき、幕を閉じます(能ですので幕は閉じませんが)。
一瞬会場全体が静まり返りますが、その後みなさん我に返ったように拍手の嵐となりました。
能鑑賞にお誘いいただいてまだ数年しか経っていませんが、今回ほど感銘を受けたことはありません。
素晴らしい舞台をありがとうございました。
そして古希おめでとうございます。



