八幡鮨のご近所にあるAVACO(キリスト教視聴覚センター)1階にあるトーキョーコンサーツ・ラボでトロンボーン奏者のバリー・ウェッブさんによるリサイタルがありました。
東日本大震災から10年の追悼のリサイタルの予定だったのですが、コロナ禍のために延期になりこの時に至りました。
1曲目は横山カイン勝己さん作曲の「レクイエム・・・永遠の命へ」〜東日本大震災の犠牲者を悼んで〜。
50分近い大曲で、トロンボーンから奏でられるサイレンの音や津波、人々の逃げ惑う声(聴いていてそのように感じました)にあの時のことが蘇ってきます。
時折ウェッブさんの鋭い肉声も混じって緊張感のあるレクイエムに、目を閉じて背筋を伸ばして最後まで聴き入りました。
2曲目はジョン・ケージ作曲の龍安寺。
共演のパーカッショニスト吉原すみれさんのパーカッションがものすごく興味深いものでした。
というのも楽器は太鼓などではなく、石片と竹筒とカバンのようなものなんです。
3つのスティックを同時に使い奏でる音は、読経の時に用いる木魚のよう。
そこにウェッブさんのトロンボーンがブォッブォッと合いの手のように入ってくる様は、大勢のお坊さんがお経を唱和しているように聞こえます。
これも心が洗われる曲でした。
貴重な音楽を聴かせていただきありがとうございました。