沖縄のさかなを食す(後編)
夏に行った沖縄の続きを書きますと言ったきり、気づけば季節はひとつ進んでしまいました。
ごめんなさい。
沖縄1日目は沖縄の魚を生かしたお寿司をいただきました。
そして2日目は琉球料理をいただくことにします。
沖縄訪問前にネットで色々と調べて見つけた「くにんだ」さんというこのお店。

たまたま前日にお世話になった築地青空三代目那覇本店の玉城店長のお知り合いがやっているというとのこと。
世の中は狭いものですね。
国際通りの県庁前側にあるとてもモダンなお店です。
お客さんも料理人さんも皆さん若い人です。
五代目は、老舗やベテランの職人さんも好きですが、若い人たちが頑張っているのも大好きなんです。
店内は照明をかなり落としてありとてもいい雰囲気。
大きなカウンターの席に座ると早速につき出しが出てきます。

ジーマミー豆腐や沖縄もずく、田芋の揚げ物など、沖縄の伝統的な料理が彩りよく少しづつですね。
お刺身はキハダマグロや宮古島産アカジンミーバイ、セイイカ、それに妻物として海ブドウや長命草。

クーブイリチーは家庭料理ですが、品よく仕上げてあり、さすが料理屋さんです。

豚の三枚肉に黒胡麻のペーストを塗って蒸しあげたミヌダルも絶品。

沖縄の豚肉料理は美味いなあ。
天ぷらのシチューマチ(高級魚)やゴーヤ、それにナーベラというヘチマはウコン塩でいただきます。

お口直しはハンダマ(苦菜)のおひたし。

お口直しというより苦味が口の中に広がります。
そしてメインのラフテー。
これは人生で最高のラフテーでした。

昔むかし、日本料理の志の島先生のもとでラフテーを作ったことがあり、その時のことを思い出しながらいただきました。
お食事はジューシーとおみおつけ、それにお香の物。

柔らかな味のぜんざいも、締めの温かいさんぴん茶も沖縄の優しさを感じさせます。

それから器ですね。
沖縄の焼物であるヤチムン(焼物の沖縄方言)も素晴らしいのですが塗り物がまた素敵なんです。
写真にもありますように赤いお椀は琉球漆器と呼ばれるもの。


黒いお椀は角萬漆器と呼ばれるもので、今ではなかなか手に入らない貴重な物なのだそうです。
板前さんのおひとりが無類の沖縄漆器好きで、五代目のまえにいろんな塗り物を並べてくれて懇切丁寧に解説してくださり、とても勉強になりました。


そして今回特別に焼いてくれたという伝統的なお菓子のちんすこうもいただきました。
ふだん口にする市販のそれとは違い、とてもシンプルで長閑な味わいでした。
ちんすこうも貴重な琉球塗りの器に盛ってあるのはいうまでもありません。

シックな新しいお店で、若い板前さんたちが作り出す美味しい伝統料理を堪能し、沖縄の伝統工芸にも触れることができ、沖縄まで来て本当に良かったと思える旅でした。
ご馳走様です。






