沖縄のさかなを食す
このたび夏休みを利用して沖縄に行ってきました。
飛行機に乗ることにトラウマがあったのですが、乗らないことには移動もできないので意を決して行ってきます。
と言いましても目的はリゾートではなく、沖縄の魚を使った琉球前のお寿司を食べること。
以前八幡鮨を取材していただいたユーチューバーの寿司リーマンさんこと、瀧本伸哉さんの動画で紹介されていて、どうしても食べにいきたかったお店なのです。
なぜ沖縄のさかな?と思われるかもしれませんが、五代目は沖縄が好きで20年ぐらい前までよく行っていたのですが、沖縄で美味しいお寿司には出会ったことがなかったのです。
でも食堂やホテルのレストランで食べる沖縄の魚はどれも美味しく、魚のポテンシャルが高いことはわかっていました。
ただ、それを美味しく出してくれるお寿司屋さんに出会えなかったということだったのです。
そのようなわけで今回は那覇市内にある築地青空三代目さんというお寿司屋さんにお邪魔してきました。
空港からゆいレールでお店に直行したのですが、7時の時点で店内はすでに満員で大変な盛況です。
入店するとカウンター席は玉城大将の前に案内していただき、それだけでテンションが上がります。
挨拶をして、自分が寿司屋であることをお伝えしてから着席します。
寿司屋に限らず、料理の職人同士というのはすぐに打ち解けて親しくなれるものです。
ですから大将の持っている技術もたくさん教えていただきました。
さて肝心のお寿司ですが沖縄の魚を中心に本州のものも織り交ぜて握ってくれました。
ほぼすべてのネタに仕事が施してあり、昆布締めや熟成、ヅケなど五代目もいつも施している手法を使ってより美味しく仕上げてあります。
何より興味深かったのはイラブチャーの味噌締め。
味噌で締めているにもかかわらず味が濃いということがなく、それでいて余分な水分が抜けてイラブチャーの旨みが最大限に引き出されています。
沖縄の三大高級魚のひとつと言われるマクブーは、宮古島の漁師さんが素潜りして槍のひと突きで仕留めたもの。
それを塩を当てて数日寝かせた熟成魚です。
沖縄の魚は美味しくないと言ったのは誰でしょうね。
こんなにも美味しいかというほどに甘味と味わいがあり、飲み下すのが惜しいほどです。
感動するのは、水槽から掬い上げた海ブドウをトロのすき身と巻いた海苔巻き。
こんな新鮮な海ブドウなどなかなか食せるものではありませんし、トロとの相性もすこぶるよろしいんです。
島蛸の旨煮や琉球野菜をふんだんに載せた茶碗蒸しも、沖縄を感じられる逸品でした。
これでお酒が飲めればクースー(古酒)で呑りたいところですが、あいにくお酒が飲めませんのでお茶をお供にいただきました。
隣の席にはオランダでレストランのオーナーシェフをしているという兄弟がいて、すぐに打ち解けて親しくなりました。
料理人同士の絆みたいなものは世界共通なのですね。
翌日は伝統的な琉球料理を最高にクールな空間で味わう名店、くにんださんにお邪魔しました。
ここでも若き料理人さんたちの情熱がこもった料理を堪能しました。
そちらはまた後日にお届けしますね。










